フォントを作るのが夢だった
ずっと前からいつの日かフォントを作ってみたいと思っていた。
作り方も分からず、ただただ漠然とただただ作ってみたいと思っていた。
字を書くのは好きだけど、フォントを作れるほどの上手な字が書ける訳でもない
字の構成を勉強してきたわけでもなく、書道教室に通っていたわけでもない
そんな自分が果たしてフォントを自作できるのか?
作ってみたいという好奇心一本でその「いつの日か」を実現することにした。
フォントを制作する上で
アルファベット
数字
ひらがな
カタカナ
漢字
記号
など日本では使用する文字や記号などの種類が多いためフォント制作のハードルが高い。
まずはアルファベット
アルファベットは大文字26文字、小文字26文字合わせて52文字
文字の形もシンプルで
フォント制作の入口としては始めやすい。
今回使用したフォント制作アプリは「iFontMaker」
iPadを使い、手書き感覚でフォントを制作できるので
難しく考えずに進めることができる。
有料のアプリ(980円)ですが、買い切り価格
いつかフォントを作ってみたいと思っている人には手始めとしておすすめ
フォントを作り始めると、思っているよりも文字のバランスが難しい。
何も考えずに感覚だけで書き進めてしまうと、文字の大きさがバラバラになり、実装してタイピングした時の文字のバランスが整わず残念な結果に
作り始める前に文字の高さや幅など全体が整うよう、まず自分の文字の好みを確認してから作りはじめる
アプリ内には既存フォントの見本が充実している。
まずはお気に入りの既存フォントの文字を探し、そのフォントのバランスを参考に制作しはじめると文字が整いやすい
フォントの制作は本当に繊細
プロのフォント作成技術は本当に素晴らしいということも、実際にフォントを制作し、手を動かしてみて初めて分かることが多くある。
フォントを制作しはじめると、なんだか自分が思っていたのと違う出来上がりになる。
それは、文字そのもののバランスが崩れているから何だか気持ちが悪いフォントになっている。
それでも何度もフォント制作に挑戦し続けたら、いつの日か文字のバランス感覚も少しずつ身につくようになるかもしれない
懲りずにまた新しいフォント制作にチャレンジ
初めから完璧にフォントを作れる人はそんなにいないはず!
と自分に言い聞かせてTRY&ERRORの精神をキープする
アルファベットの次はひらがなとカタカナ
ひらがなの文字数は46字(ゑなど抜けて)
ひらがなはアルファベットよりもバランスの取りづらさを感じる
簡単なようで奥が深い
フォントを実装してタイピングした時に
「あれあれ?」
「思ってたんと違う」
となったのはひらがなが多かった。
その後はカタカナの制作開始
カタカナの文字数はひらがなと同じ46字
ひらがなよりも単純な構成で、制作はスムーズに進んだ
そもそも日本語のフォント制作の大変なところは文字形態の多さにあると思う
ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号と
とにかく多い。
日本語を勉強している母国語が日本語でない方は難解な言語に果敢に挑戦しているんだなと改めて感じる。私だったらきっと、文字の種類の多さに間違いなく引くと思う。
漢字のフォント制作へ
そして、いよいよ漢字ゾーンに突入
きっとここで挫折する人続出するであろう圧倒的文字数
小学校で習う漢字 1000文字オーバー
中学校で習う漢字 1000文字オーバー
桁が、今までと違う!
この漢字の数が幼少からの教育により自分の頭の中に入っていると思うと人間の脳ってすごい
常用漢字の中にも使用頻度の少ない漢字
読むことはあるけど書く頻度は少ない漢字
などありますが、とりあえず常用漢字を全て制作していきます。
(このアプリでは必要な漢字だけを選んでの制作もできるようです)
まず、小学生で習う常用漢字制作に取りかかる
1年生で習う常用漢字から小刻みに区切りながら6年生で習う常用漢字まで
今回は手始めということもあり、あまり難しいことはせず
自分らしさのある書き癖を取り入れながら制作終了
ひらがな、カタカナ、数字にアルファベット
小学生で習う漢字も一通り作った!
よしっ!もう使えるかも!
フォントを使えるように実装してみることにしよう!
自作フォントを実際に使用出来るようにデータ処理後ダウンロードしてタイピングしてみる。
わぁ♪
自分の制作したフォントでタイピングができてる!
嬉しい!
楽しい!
すごーい!
とワクワク♪
しかし
あれ?フォントの違う漢字が混ざってる
別のフォントになってる漢字があるんだけども?
別のフォントに変換されていた漢字はまだ制作していない中学生以上で習う常用漢字でした。
そっかー、やっぱりある程度の文字数の常用漢字を作らないと結局使えないんだぁ
とこの時点で初めて気づいた
んじゃあ、作ったる
と意気込んでみたものの
中学生で習う漢字の文字数1000文字オーバー
これから更に1000文字以上の文字を・・・
挫折しそうになる
が、しかし
自作フォントなので誰に迷惑をかけるわけでもなし、地道に続ければいいんだしと継続
小学生で習う常用漢字制作まではやる気に満ち溢れ、かなり早いピッチで進めていたフォント制作のスピードがやや遅めになる。
1日のスケジュールの中でフォントを作るのに割ける時間は僅か、もしくは週末に時間をみつけてまとめてする感じ。
そんなこんなで、時間を見つけながら亀さんのスピードでちょこちょこ進めて、小学校で習う常用漢字終了後から1ヶ月ほどしてようやく完成。
制作した文字を指でスクロールしてもスクロールしても続く2000文字オーバーの制作文字を見て素人ながら狂気の沙汰
私の中に眠る狂気を感じる瞬間(自分が怖い)
ま、頑張った。自分。
と成し遂げた自分を自分で褒めてあげたい気持ちになりました。
いよいよ最終段階の実装へ
ようやく自分のフォントをタイピングできる面白さを味わえるぞいっ
データを処理してダウンロード
さてさてどんな仕上がりになるんだろう?
楽しみ♪
ダウンロードされたフォントを実装して文字をタイピングする
中学生で習う常用漢字まで制作すると、小学生で習う常用漢字まで制作した時と比べて変換できる漢字が格段に増えて使い勝手がいい。
(それでも全ての漢字ではないので、漢字が変換されない時は言い回しを変えてタイピング)
いろいろな言葉が自作漢字フォントに変換されていく。
実に面白い(ガリレオの見過ぎ)
それでも何だか気になるのは、文字の大きさのばらつき
やはり素人フォント
漢字とひらがなのバランスだったり、ちょっとした角度が気になる
微調整をして整うように訂正を繰り返す
気になったら都度調整しながら整えていく
自分しか使わないフォントなので少しずつ文字を育てていく感覚で
既存の美しいフォント制作が1人では難しく、何年もの時間を費やすということを今回のフォント制作体験を身をもって経験したことで理解が深まり、フォント制作に携わっている方々へのリスペクトが更に高まる。
簡単に気軽に選択して使用しているフォントの裏には、物凄い狂気が眠っている
フォント制作は面白くて奥が深い沼
これからも美しいフォントを見て、文字の生い立ちや歴史なども学んで、自分のフォントをより素敵なフォントにしていけるといいな♪
追記
面白いフォントを作ってみたい欲もあるのよね ふふふ(狂気)
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